つけの つぶやき

舞台の話を気ままに。

生で宝塚のエリザベートを見た。

今回、月組ファンの方にお声がけ頂いて エリザベートを観ることになった。

http://www.jrtours.co.jp/keyword/jr東海ツアーズ宝塚歌劇/

 このツアー(個人旅行)で行ったのですが JRがある一定の日時の一定の席を仮押さえしているらしく、ギリギリになっても 「〇」(ツアー予約可能)なので、「先行も一般も落ちた!コネもねえ!」という東海3県にお住まいの方 は、是非どうぞ。S席だと 大体24列目、B席だと大体12列目のセンター寄りです。

このツアーのお陰で 「るろ剣」の時 月城さんが真後ろに来て死にました。(すぐ死ぬやつ)

本当、エリザのみならず、ファントムとかも土曜にチケットおさえてある感じ優秀なので 高額販売民に買うより 先に こっちみて!!!

※新幹線はこだま号しか乗れません

もしくは、近鉄でも同じようなツアーあるのでそっちも見てみてはどうでしょうか?

 

さて、本題に入ります。

今回、珠城さん月組エリザベートを観たのですが 実は、水さん時代の雪組で上演された作品の再演を見るの、初めてだったんです。

('16のエリザ、その頃全然やる気なくて 贔屓の舞台ですら全然観てなかったので 普通にスルーしてました。)

なので 感想つらつら言ってきたいと思います。

最近昼夜逆転しすぎて観劇日も3時間睡眠なのでエリザ雰囲気レポになります。

 

 

※筆者、エリザ、見ず嫌いしてたので水さん時代のエリザしか見たことありません。

 

珠城トート

我が地元(少し違う)の星。

私、水トートの喜怒楽(哀は行方不明)溢れる表情豊かなトートしか見たことなかったので、珠城トートのいい意味で表情の薄いトートが凄く新鮮でした。

シシィが死を拒否するけど やっぱり「本当はシシィはトートが好き」と考えているから 気持ちに余裕があって 自分のメンツ保ててるんじゃないかな?って。 (水トートはシシィに拒否される度に悔しそうなので シシィに自分のプライドズタズタにされてる様子が分かります。)

同じく驚いたのは最後の 昇天の場面。 安堵の表情かと思いきや あまり表情が変わらなかったところが黄泉の帝王として「シシィに愛されるのは当たり前」という余裕さが見えてとてもニヤニヤしちゃいました。

 

ただ、珠城トート 高音がかなり恐い。宝塚の後半とか東京で喉潰れそう。 前公演のときも感じたのですが 珠城さん高音が苦手な正統派な男役Voice(?)してるので トートのような高音から低音まで歌いこなす役だと凄く大変だなーと。(初演が歌うまだった分 トートの曲歌いこなすジェンヌって本当大変...)

 

愛希エリザベート

正直な所凄く期待していなかったシシィでした。7年もやってりゃエリザベートもお手の物でしょうし。だから

観劇前、「ある程度高いレベルまで持ってくんでしょwハイハイwちゃぴちゃん凄いねw95期凄いですねw」なんて心の中でほざいてたのを懺悔する。

...うん。やっぱり凄いわ。 あんなに自分の娘役像に合わないものでさえ自分のものにしていく技術凄すぎる。正直、愛希さんってショースターじゃないですか?  静より動だし、歌よりもダンス、美人さんというより可愛い子。

そんな、愛希さんのポテンシャルを少し抑えて新たな「愛希れいか」を生み出したのがエリザベートだったのかもしれないな。と。

もし、ショー付きの作品がサヨナラ公演だとしたら 新たな「愛希れいか」は存在してないのかもな と思った。 愛希さんにあった、愛希さんにふさわしい作品が。エリザのようなみんなが緊張感もってやらなくてはいけない作品ではなく、月組が余裕を持って、作品を楽しむことができて、見送りやすい作品がになっていたんじゃないかなって。

 

おてんば娘だった子供が女性になっていく中ただ「自由」を求め生き続けていく。

そこで王邸のしきたりや夫の裏切り、子供の死にというひたすら自由とは縁遠い出来事に遭遇するなかで だんだん愛希シシィの雰囲気が陽から陰に色濃くなっていくのが分かりました。

そして昇天の時にはまた明るい真っ白なオーラに包まれていて、さすが。と思いました。

ありゃー7年の力だ。

 

と、考えていたら演技とか見れなかったので愛希シシィはほかの方のレポ参考にしてください

こんなにべた褒めしといて何ですが やっぱり愛希シシィも高音大変そうでした。元々男役さんやるぐらいだから 大変だよね...

 

美弥フランツ

私、いくら贔屓が演じていてもフランツだけは苦手でして。 多様性と言われている世の中だからでしょうか? 「慣例だから耐えろ」という考えをもつゾフィーやフランツが苦手です。

彩吹フランツをみてフランツの印象は

「根底にゾフィーが鎮座してる流されやすいおぼっちゃまくん。(裸じゃない方)」

だったのですが、美弥フランツは

ゾフィーの考え方を持つものの しっかりと自分の意思をある程度持ってる(行動出来るとは言ってない)おぼっちゃまくん

だと思いました。

お見合いの場面でも 彩吹フランツ、シシィの存在知る前まで無表情に近く、その表情から

「全然お見合いに興味ないけど ママがやると言うから仕方なく参加する」という印象を持ちました。

しかし、美弥フランツは召使いに微笑みかけていたりと表情が柔らかかったので

「内心は周りの人間(客席)には分からないですが 『このお見合いを円滑に進めよう』」とする意思を感じました。

だから シシィの部屋の前で懇願する場面も 

ゾフィーよりシシィが好きだから助けて♡」という甘えより

「シシィの助けを借りたら立て直せるかもしれない」という 考えを持ったから行動した(勿論、それまでお互い精神面で支えあえていないからすぐ振られる)のだなと解釈できるなーと思いました。

なので 少し彩吹フランツよりフランツが頼もしく思えたし、もしかしたら フランツ、シシィと分かり合えるかもという希望的観測が出来たのが凄く印象的でした。ま、再演ものなので絶対そんな事ないとは分かってはいましたが。

 

やはり、美弥フランツも 高音がヒヤヒヤします。 すっごい恐い。けど低音は良かったです!! あと、前作よりも「星組出身」な声でした。 (星組公演かな?)という歌声が聞こえたら美弥さんでした。

 

エリザベートという壁

10作ものエリザベートがあると やっぱり個人的ベストなバージョンがファン個人個人にあると思います。

私自身、水さん時代の雪組が大好きだから 水さん雪組バージョンが ナンバーワンだし 結局今回の珠城さん月組バージョンよりも好きだと思いました。

というか、 珠城さんが出ていても後ろに水さんが立っているような感じがして 今自分は水さん時代のエリザ見てるのか珠城さん時代のエリザみてるのか 頭ゴチャゴチャになりました。

パレードでも 美弥さんが出てきた時涙出てきたんですが3時間睡眠の弊害なのか 一瞬「彩吹さん出てきた」と勘違いしてしまったからなのでした。 どんだけ頭混乱してるんでしょうね。私の頭(^^)

また、やっぱり好きなバージョンがあると 何かと比べてしまうのだな。と 痛感しました。どれだけ素晴らしいパフォーマンスをしようが 「〇〇さんのやつとは...」と比べられてしまうし

過去のほかの方のレポ見ても 「〇〇さんのやつより□□だったから...」という評価が多かった。

やはり 大作ミュージカルって偉大だし 初演や好きなバージョンを超えるのは凄く難しいのだなと思う。初演って しっかりした宝塚版のお手本が無い分「過去の作品見ました」みたいな新公的な行為が出来ない。 だから 常にその人がパイオニアであり、スペシャリスト。

再演以降は どれだけ新しいことをしても お手本と比べてしまうから「その役には合わない」という評価になってしまうのではないかな?と感じた。 それは仕方ないことであるし それでも最高のものを作り上げていくから 再演が続いていくんでしょうが...

だからこそ、 

「珠城さん時代月組が 初演ならば どの人たちももっと広い視野で楽しめたのではないかな?」という気持ちになりました。

トート、シシィ、フランツ像がより柔軟に見れたのではないかな? という気持ちにしかならなかった。 私はもうカチコチに凝り固まってるので...

 

ま、ダラダラ言ってきましたが 全く悪くなく凄く楽しめたので 観劇予定の方はぜひ楽しんでください!!!!