つけの つぶやき

舞台の話を気ままに。

上半期見てよかった作品~カラマーゾフの''衝撃'' ~

上半期ももう終わりということで...

上半期見て良かったなーと思う作品を3作品。

今回は 宝塚の過去作で 1作品。

 

カラマーゾフの兄弟('08年雪組)

 『カラマーゾフの兄弟』 | 雪組 | 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ | 宝塚歌劇 | 公式HP

いきなり9年前の作品/DVD廃盤商品ですが笑

『カラマーゾフの兄弟』 [DVD]

上半期 「見てよかった!」と思う作品は過去作だけでも 結構あるのですが、 

1番見てよかったな と思ったのは この作品だな。と

私はどちらかと言うと エリザベートなどの 宝塚の名作と呼ばれる作品が苦手で、

好評と酷評が4:6くらいの ある意味宝塚らしい(?)作品が好きなので 、良い作品だという声が多いカラマーゾフ、 私ハマらないんじゃないかな? と思っていました。

 

本格的に見ようと思ったきっかけは、

Twitterのフォロワーさんから 

カラマーゾフのOPが凄い。」という話を聞いたからなのですが、 本当に凄い。

 

 

衝動

衝動

 

幕が開いて最初の言葉が「俺はやっていない」「父を殺してなどいない」と

本当に宝塚か!? という感じの水さんのセリフから始まるのですが、トップ以下中心メンバーのソロや、組子のコーラス/演技力がOPでグワーッと濃縮されていて、引き込まれるとはこういう事か。とたった数分でピリピリと実感する気持ちになりました。

原作を読んだことがない状態で見たのですが

衝撃 の一言。

終始暗く、見ている側が救われるとしたら(役名略) 水さんと白羽さんが 結ばれるというだけ。

トップコンビが結ばれるという視点だけで言えばハッピーエンドなのに、 客観的に見てしまったら バッドエンドだよな。

と 思ってしまうくらい 彩吹さんも未来さんも彩那さんも 誰も救われない。

けれど、一つ ふっと思ったのは 

「バッドエンドに作り上げたのは 張本人ではなく 周りの人間だ。」

 ということ。だって事実が事実のまま過ぎていったら、

「水さんも白羽さんも彩吹さんも幸せに過ごしましたとさ ちゃんちゃん。」で 終わってたじゃないですか。

だから、(ああ。これはノンフィクションに近いフィクションだな) と思った瞬間 ゾワゾワっと いろんな意味で寒気がしました。

彩吹さんは 傍聴人から疑惑の目を向かれてしまったことによって本格的に 破滅の道へ進んでしまうし

一つの話題でコロッと 意見が変わってしまう

 そんな人間のある意味悪いところが カラマーゾフ家を崩壊させてしまったのかな と。

そういう事は今の世の中も変わらなくて 。

だから

「近い未来、傍聴人もしくはカラマーゾフ家になるのは私たちかもしれない」

そう思うと また寒気がしました。

 

ジェンヌさんの事について。

 私の1番の贔屓(緒月遠麻さん)は「忘れ雪」に出演されていたため この作品には出ていないのです。

私の悪い癖でいつもなら 「この作品なら 贔屓はこの役がいいな」と考えてしまうのですが

カラマーゾフは どうしても考えつかない。

そのくらい 全ての組子の役が ハマり役で、

ドストエフスキーはこの雪組を見て小説を書き上げたのか?」と錯覚するほど 完璧な配役だったと思います。

水さんの あの荒々しいという名の繊細な演技、

白羽さんの アンニュイな雰囲気、

彩吹さんの だんだん狂っていくまでの演技力

未来さん...彩那さん...沙央さん

どこを切り取っても 素晴らしいしか 出てこないです。

 

余談ですが

きっと私はカテリーナとは仲良くなれないです笑

きっと 接していくうちに

「だからドミートリーに振られるんだよ!」と言ってしまうと思います笑 

ああいう 「してやってる」 と錯覚してる女性はいけませんね 私も自分の姿を見直さなくては。

ほんと 大月さんの演技力には 完敗です。

 

 

まだまだ言いたい事は沢山あるのですが、

論文レベルの長さになってしまうこと間違いなしなので

 実際、観劇された方のブログを見たらジェンヌさんやカラマーゾフの感想

沢山書いてあるし そっちを見てくださいね!

いやー  これを生で観たかった。

 

2回目の 上半期~ は 2017年の作品。

ヒントは

「オギー先生と水さん」です。

 

ここまで見てくださって ありがとうございました!